親戚づきあいのないわたしたちにとって、家族葬に参列するのは、親子3世代、7人だけでした。
「おじいちゃんのがんばってきた人生だから、最期くらい何かをしてあげたい」
というのが孫である娘の意見で、家族はその言葉を尊重しました。
みんなで見守れば直葬でもいいんだとも思っていましたが、やっぱり葬儀をしよう、でもお寺さん呼んでっていうのもなあ・・・
という具合に、家族でどのような葬儀がいいのか、考えを巡らせていました。
深夜に駆けつけて下さった茂木さんは、父を自宅の仏間に安置して、
「今夜はもう遅くておつかれです。また明日の朝に参ります」
と言い残したのですが、わたしたちがアドバイスを求めるものだから、嫌な顔もせずに2時間近く、葬儀の方向性について、まるで親戚のように一緒に考えて下さいました。
わたしたちが採用した葬儀のスタイルは、お花いっぱいに囲まれたお柩を私たちが囲む、というもの。
祭壇もない、お寺さんもいない。
私たちだけで、父を華やかに送り出すというものでした。
「あんなに武骨だったおじいちゃんが、お姫様みたいだね」
娘の言葉にみんなが大笑い。
通夜から葬儀へ、とても緩やかな時間が流れ、その時間があったからこそ、わたしたちは父の生前を偲び、思い出を語り、自分たちのつながりを再確認できたのだと思います。
直葬にしなくてよかったと、いまなら胸を張って言えます。
これも深夜の茂木さんのアドバイスがあったからこそです。
茂木様。ありがとうございました。
【スタッフより】
田中様はご家族7人だけでの家族葬を執り行われました。
みなさんが本当に故人様を大事に思われていることがひしひしと伝わる温かいご葬儀でした。
祭壇を飾ることもなく、お寺様をお呼びするわけでもなく、斎場の式場中央に故人様のお柩をご安置し、周りをお花いっぱいにお飾りして囲んで差し上げました。
出棺の際にはそのいっぱいのお花が溢れんばかりにお柩の中に入れて差し上げました。
儀式めいたものの必要がないからと、はじめは直葬をお考えだったのですが、儀式とはなにもお寺様の読経による葬儀だけではありません。
ご家族と故人様との最期の思い出作り。これも充分立派な儀式。あるべきお葬式の形なのではないでしょうか。
わたしどもは常々、お客様のご親戚でいたいと考えてます。
親戚として一緒になって、どういう葬儀にしたらいいかを考えた結果として、このような素晴らしいお葬式のお手伝いができたこと、本当に感謝しております。
田中さま、本当にありがとうございました。