5月半ば、初夏のような汗ばむ陽気の中、越谷市斎場にてある初老の男性のご葬儀のサポートをさせていただきました。
越谷市内の病院での長い療養生活から無言の自宅へのご帰宅でした。ご自宅には奥様お子様ご親族と沢山の方々の涙のお迎え、お孫さんであろう今時の髪を染めた女子高生にいたっては、階段の片隅に腰を下ろしタオルを顔に当てたまま人目もはばからず泣き続けていました。
この時この瞬間はいくら葬儀社という立場柄、それこそ数多の状況を見てきたとはいえ、どうしてもどうやっても慣れることができません。プロ失格だと言われれば確かにそうなのですが、私たちにも感情がありますゆえその気持ちを抑えることに必死なのです。
感情を殺しドライに接することこそプロの仕事なのでしょうが、私はご遺族のその感情を受け止めてしまいます。受け止めた感情からいろいろなことを想い考えてしまいます。
故人の生前のお人柄、ご遺族の故人に対する想い、これら要因を踏まえてご葬儀へと反映させていきたいとも考えています。ですので、ご遺族以上に悲しみに耽てしまうこともございます。
そしてご葬儀の打ち合わせの談になり・・・
ご家族全員で、故人の気持ちを一番にと故人の好きだった白い花で統一され、故人が生前好きでよく召し上がっていたという羊羹の入った会葬返礼品を選ばれ、故人だったらどんな料理を選ぶのかな?といったように、「故人が皆様をおもてなしをする」というテーマからいろいろと決めていかれました。
そして最後のお別れの際、長い間下町で腕のいい靴職人として使ってきた、道具とエプロン、唯一の趣味であった釣竿を棺に入れて荼毘に付されました。
※釣竿は小型の可燃性の物です。材質や大きさによっては棺に納められません。
最後にはご家族皆様より私共スタッフ一人一人に深々と頭を下げていただき、まだ暖かい御遺骨を抱えて、一回り小さくなったお母様の肩を皆様で支え合いご自宅へご帰宅されていきました。
本当の意味での心の葬儀であったと感じました。
そしてなにより家族の絆を実感させていただきました。
合掌
-葬儀費用の内訳-
- プラン費 用 - 378,000|家族葬ファミリスタンダードプラン
- 追 加 費 用 - 0
- 斎 場 費 用 - 164,000|越谷市斎場(火葬費用、式場費用、待合室費用)
- 費 用 合 計 - ¥542,000-