昨今、お葬式の主流になっている家族葬ですが、時代の流れや社会構造の変化が大きく影響しています。以下のような理由が考えられます。
1)地縁や社縁の希薄化
ひと昔前、まだまだ地域のつながりが強かったころ、あるいは、会社への帰属意識が強かったころの社会では、そうした人々とのつながりから、お葬式に参列することが当たり前でしたが、昨今ではこれらが希薄化になり、家族葬が浸透していきました。
2)高齢化社会
高齢化が進みますと、故人様の友人や知人の方たちもすでにお亡くなりになっていたり、参列が困難な状況になっていたりします。
このような場合、参列をご遠慮したり、あるいは喪主側の方から訃報を流すことを控えたりします。
3)景気の低迷
家族葬が浸透しだしたのはバブル崩壊後でした。長らく不況で、葬儀にかける費用を軽減する傾向が拍車を掛けました。
4)「接待葬儀」への違和感
80年代ころまでは、いかに飾りつけを華美にするか、いかにおもてなしを豪華にするかという、いわゆる「接待葬儀」の傾向にありましたが、故人を置き去りにしてしまうこのような風潮への違和感が、景気低迷と相まって、家族葬の浸透に結びつきました。