「故人様のスライドショーをお流ししませんか?」
このような提案を受けて、私は快諾いたしました。
お寺様の読経や、参列者の焼香などももちろん大切だと思うのですが、凡人の私たちにはすこし内容が難しく、もう少し敷居を下げた方法で妻を偲んでもらえないだろうか。
ぼんやりそのように考えていたので、この提案にはすぐに賛成しました。
「お金はいくらかかるのですか?」と訊ねても、「特別なサービスですよ。素人が作るのだからお金はいただけないです」とのこと。
「しかも私が作るんじゃなくて、別の者が作ります。明日、その人間と一緒に来るので、いくつか写真を用意しておいてください」
やってきたのは、30代の好青年。
ぺこりと頭を下げて「素人ですが、精一杯作らせてもらいます」と述べる姿に好印象を受けました。
机の上に妻との思い出の写真をたくさん並べて、この写真はどこどこで撮ったものだ、その写真はだれだれと撮ったものだと、話しているうちにいろいろな思い出がよみがえり、恥ずかしながらも二人を前にして思わず涙をこぼしてしまいました。
「スライドショー。一生懸命に作ります」
その言葉が、なんとも力強く感じられました。
翌日、通夜の席で、住職が退席した後にスライドショーを流していただきました。
無声映画のように、静まりかえる暗闇の中で映し出される数々の思い出の写真。
よく一晩でここまでのものを作ってくれたものだなと感心しました。
そして、葬儀後、担当の茂木さんが私の所にやってきて、1枚のDVDを渡してくれました。
「これはお通夜でお流ししたDVDです。DVDを作成した玉川が申していました。野田斎場は音響を出すわけにはいかない。だけどここには、川谷様のために考えたBGMを挿入していた。ぜひともご自宅でご覧いただくようお伝えください」
私はその晩、そのDVDをひとりで見て、涙が止まりませんでした。
思い出の妻の背後に流れるのは小田和正さんの『言葉にできない』
妻との出会い、妻への感謝を代弁してくれるような歌詞と歌声。
何よりうれしかったのは、茂木さんや、玉川さんという人の私に向けられた想いです。
お金もいただかずに、わざわざスライドショー作成のために足を運んでくださり、でき上がったDVDをもわざわざ届けて下さる。
すばらしい葬儀社だと思います。
この出会いを、亡くなった妻ともども、感謝申し上げます。
もしも神様がいるのなら、手を合わせて、心からお礼を言いたい気持ちでいっぱいです。
蒼葉葬儀社様、茂木様、玉川様 そしてスタッフの皆様。
本当に、本当に、ありがとうございました。
【蒼葉葬儀社の所感】
川谷様。
蒼葉葬儀社の玉川でございます。
このたびは、本当にありがとうございました。
そして、とても光栄なお手紙、嬉しく存じます。
いただいたお手紙は、いつも茂木がお返事を書くのですが、このたびは当方が書かせていただきます。
私たちは、いつも死に向き合うお客様の黒子に徹するわけです。
私は直接現場に出向くことはあまりなく、ほとんど茂木が担当させていただくのですが、茂木の話を聞いていても、一件一件のお葬式の現場は、本当に過酷で、厳しいものがあるなと思いいたります。
悲しさや戸惑いに対峙するお客様に対して、私たちになにができるのだろうか。
本当に何もできていないのかもしれません。
樋口や茂木が中心となる蒼葉葬儀社は、身内びいきかもしれませんが、それでもお客様に寄り添う葬儀社だと思います。
利益度外視のことも平気でできてしまう人たちです。
WEB担当の私を捕まえてお客様のご自宅にお邪魔するなんて、失礼千万ですが、茂木からすれば、お客様のためにスライドショーを!という想いいっぱいだったのだと思います。
私たちは、現場の人間も、裏方の人間も、「蒼葉葬儀社で葬儀をしてもらってよかった」と言ってもらえる葬儀社でありたいです。
そのお手伝いができたこと。
嬉しく思います。
私の作成した拙いスライドショーが少しでも川谷様の心のお支えになったのなら、これ以上嬉しいことはありません。
長く有難いお手紙、本当にありがとうございました。
また明日から、私にできることを精一杯お客様に還元していきたく存じます。
【葬儀費用の内訳】
- プラン費用-408,000|家族葬ファミリープラン
- 追加費用-約300,000|古式湯灌、料理・返礼品、供花や盛籠など
- 斎場費用-約25,000|火葬費用、式場使用料金、控室
- 費用合計-¥733,000

葬儀に関するご質問などどんな些細な事でも結構ですので、なんでも私達にお聞きください
