昔のお葬式は野辺送りが基本ー祭壇に残る風習
昔のお葬式は、自宅で行うのが基本でした。
そして、お葬式が終わり、出棺の儀をし、野辺(のべ)送りという葬列を組んだといわれています。
そして、この葬列の最後には遺族が並び、火葬場や埋葬地へと向かいます。
野辺の意味は、埋葬です。
野辺送りに参加する人は、持ち物の名前で呼ばれることが多くありますが、これは地方によって異なります。
そして、基本的に野辺送りは夜中に行われました。
先頭に灯りを持った人が立ち、次に籠(かご)持ちの順です。
籠の中には、小銭や紙吹雪を入れ、進みながら巻きます。
こうすることで、故人の魂を沈め、地域への災いが起こらないように、穢れを払ったといわれています。
この葬列において、重要な役割を担うのは6役です。
- 位牌持ち
- 飯持ち
- 水桶持ち
- 香炉持ち
- 紙華持ち
- 天蓋持ち
また、棺をその場で3回回し、仮門と呼ばれる門を通過させることで、鎮魂の儀を出棺前に行いました。
祭壇の飾りは野辺送りが由来
時代が変わると同時に、お葬式も変化していきました。
野辺送りをしている地域は少なくなりましたが、この儀式は、地域の風習として残っているところもあります。
また、この野辺送りのときに、お墓までもっていった装具は今、形を変えて、白木の祭壇に変化しました。
一般的な祭壇の上部に乗っている、輿(こし)は、棺を入れて、墓地まで運んだ野辺送りの名残りだといわれています。
このように、お葬式の文化は形を変えて、今に残っています。

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