香りは、仏の姿を現すと同時に臭いを防ぐ効果がある
幸せな気持ちにさせてくれたり、リラックス効果のある良い香りには、香りの特性を生かし、香の中にいろいろな意味を込めることが出来ます。
お香は、香りが部屋に充満する様を、仏の教えが広く浸透している様子を表していたり、仏へ良い香りを届けたりする行為でもあります。
素敵な香りに満ちている状態を、‘浄土の世界’として表します。
焼香は、インドで体臭を消すために使われたのが起源ですが、後香は、遺体の臭い消しの役目がありました。
その昔、霊安室や冷蔵庫のない時代に、遺体の腐敗の進行は早かったはずです。
お葬式で行われる焼香の香りは、お葬式の場に腐敗の臭いが浸透するのを防ぐ役割もありました。
通夜で一晩中、線香を絶やさないしきたりは、遺体から出る腐敗臭を消す役割と、ハエやゴキブリなどの害虫の侵入を防ぐ役割があります。
意生身から食香へと変化する魂
仏教では人は亡くなった後、‘意生身(いしょうじん)’と呼ばれる魂となります。
そして四十九日の日数をかけながら、あの世へ旅立っていくと言われています。
四十九日のことを、‘中陰(ちゅういん)’と呼び、この期間、香りを食すので、‘食香(じきこう)’という呼ばれ方もあります。
四十九日までは、毎日、線香を絶やさずに炊き続ける習慣が根強い地域もあります。
ただ、焼香の意味を考えると、線香などの焼香自体に食香としての意味合いはほぼゼロに近しいのかもしれません。

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