細かく刻んだお香(抹香)をつまんで、香炉の中に置かれた炭の上に落として香を焚きます。
香をささげることは仏や故人を礼拝する際に共通する仏教の作法です。
ちなみに、かのブッダも自身の死に際して弟子たちに香料をささげるように語っています。
「アーナンダよ。世界を支配する帝王の遺体を処理するのと同じように、修行完成者の遺体を処理すべきである。四つ辻に、修行完成者のストゥーパをつくるべきである。誰であろうと、そこに花輪または香料または顔料をささげて礼拝し、また心を浄らかにして信ずる人々には、長いあいだ利益と幸せとが起るであろう」 (中村元『ブッダ最後の旅』より)
ちなみに、お線香も、お焼香も、香を焚いてささげるという点では同じです。
たくさんの方が参列されるお葬式で、ひとりひとりがお線香を立てていますと、時間もかかってしまいますし、香炉の中も無数のお線香で溢れてしまいます。
そのため、葬儀や法要ではお焼香が用いられています。
お焼香の作法は以下の通りです。
- 1)数珠は左手に持っておく
- 2)スタッフの案内に従って焼香台まで進み出る
- 3)親族席に一礼して、ご尊前に立つ
- 4)本尊、故人様に向かって一礼する
- 5)抹香をつまんで、炭の上にパラパラと落として香を焚く
※回数は宗派によって異なります
〇天台宗 1~3回
特にこだわりません
〇真言宗 3回
身口意の「三業」を清め、仏法僧の「三宝」にささげるとされています
〇臨済宗 1回
「一に帰る」という意味合いから1回でよいとされています
〇曹洞宗 2回
1回目(主香)は額に押し戴いて焚き、2回目(従香)は押し戴かずに焚きます
〇浄土宗 1~3回
特にこだわりません
〇真宗大谷派 2回
額に押し戴かずに焚きます
〇浄土真宗本願寺派 1回
額に押し戴かずに焚きます
〇日蓮宗 1~3回
導師は3回、在家信者は1回でよいとされています - 6)本尊や故人様に対して合掌して冥福を祈ります
- 7)スタッフの案内に従って退場するか、自席に戻ります

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