枕飯について。本当は縁起の悪い物??
枕飯についてお話ししたいと思います。
枕飯とは、生前の故人のお茶碗に、こんもりと大盛りによそったごはんに、お箸を二本垂直に立てたものです。
枕飯を用意するときは、ちょうどお茶碗に摺り切り一杯になるくらいのお米を計り、皆のお米とは別に炊きます。
炊きあがった枕飯用のお米は、一粒も残さずに、お茶碗に盛りつけ、お箸を立てます。
また、炊いた後のお米は炊く前より量が増えるので、お茶碗に大盛りで200gくらいなので、それより多くならないように気を付けましょう。
よく、子供の頃にお箸をお米に立てると「縁起が悪いからやめて!」などと怒られたことがありませんか?
それは、御飯に垂直にお箸を立てることでごはんが、‘死者の物’になり、一善飯は‘忌みかかったもの’だという言い伝えが昔からあるからです。
仏式では、枕飾りの一つとして、故人の枕元に小机に、団子やお水、樒などと一緒に並べるものなのです。
枕飯を作る習慣となった2つの説
縁起が悪いとされている枕飯を何故、作るようになったのでしょうか。
枕飯を作るという習慣が出来た理由として、2つの説があります。
1つ目は、‘死者を蘇らせるための呪術としての役割’があったというものです。
これは、昔、お米があまり手に入らない時代に、
「白米を食べたいという気持ちから蘇るのではないか」
という切なる願いが込められていたのです。
これを、魂呼びの呪法と呼びます。
そして、2つ目は、食べ物を摂取することで人間が、身体(肉体)と魂を健やかにすることが出来るという考えをもとに、魂を表現するために枕飯が作られたともされています。

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