末期の水をとる理由や方法、その順番など
亡くなった方の唇へ水を含ませているのを見たことがある方もいると思います。
これは、末期の水と言い、昔からの風習ですが、どうして唇へ水を含ませるのかを知らない人が多いのではないでしょうか?
そもそも末期の水とは、亡くなる寸前や、亡くなった後に、故人の唇(口)へ水をガーゼや脱脂綿に水を含ませ、口許を水で潤す行為です。
方法としては、新しい脱脂綿もしくはガーゼを用意し、割りばしの先に固定するか、新しい筆の先に水を含ませます。
そして、親族や兄弟、姉妹などの縁の深い者たちが順番に亡くなった方の唇につけ、口を潤していきます。
基本的な順番は次の通りで覚えるとよいでしょう。
- 1.喪主
- 2.配偶者
- 3.子供
- 4.故人の両親
- 5.兄弟姉妹
- 6.子供の配偶者
- 7.孫
また、脱脂綿の代用品として、樒(しきみ)や菊の葉っぱや鳥の羽に水を付けて、使うこともあります。
臨終の間際に行う事が多かったのですが、最近は亡くなった後に行うことが多いようです。
水を口へ含ませる行為は‘末期の水をとる’や‘死に水をとる’という言い方をするので覚えておきましょう。
なぜ口に水を含ませるのか
どうして水を口へ含ませるのでしょうか?
これは、お釈迦様の入滅が関係しています。
入滅は死亡を意味するのですが、お釈迦様は自分の死期を知った際に、水を欲して弟子に水を頼んだと言われています。
ですが、水がなく、漠然としていると、信心の強い鬼神様が来て、八種の浄水を用意し、お釈迦様へ飲ませたことで、お釈迦様は苦しむことなく入滅へと導かれたという説があります。
この説から‘故人の喉が渇いて苦しまないように’という願いが込められていると言われているのです。
また、仏教の考えで、あの世で飲み食いが出来ないとされています。
ですので、亡くなる寸前に水を飲ませてから、冥土へと旅立ってもらうためという目的もあります。
末期の水をとる行為は、最後のお別れの儀式でもあり、ここまでに紹介したことを知っているだけでも、死への向き合い方が変わるでしょう。

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