
なので、お葬式は肉体と魂のそれぞれを仕立てる必要がありました。
他の魂が肉体に入らないように、封印して葬ったのです。
ですが、肉体とは反対に、肉体から離れることを出産に例えて、赤ちゃんが生まれるときと同様のことを行ったそうです。
赤ちゃんには、産湯(今でいう新生児が入るお風呂)をつかわせ、産着を着せ、この世で生きるための名前を付けます。
それを真似して、死者は末期の水を取り、湯灌(お風呂)に入り、死装束を着せ、あの世の名前の戒名を僧侶につけてもらいます。
また、ご飯をお茶碗に盛り、箸を立てて作る枕飯も、魂がどこか違う場所へ行かないように、‘おいしいもので引き止める’ためのものです。
また、生まれたばかりの魂は、この世でいう赤ちゃんと同様にやんちゃで、不安定なところがあるとされ、予想だにしないような事態が起こることもあると、恐れられた存在でした。
この魂を、荒魂と呼びます。
荒魂が暴れだせば、村全体へ被害が及ぶと考えられていたので、村が一つになって、いたわりました。
荒魂が和魂になり、無事にあの世へ行けるようにという思いを込め、村全体でお葬式を行ったそうです。
現在でも、地域の組み内や町会が中心となり、葬儀を行う場所があるのは、このような風習が根強いことが理由でしょう。
あの世とは?
亡くなった方の魂の多くは、肉体から分離し、あの世へ旅立つと考えられています。
あの世は、この世と正反対の世界だとされています。
出棺するときに、故人が生前愛用していたものを入れるのは、環境に早く慣れてほしいという願いもあります。
また、とある地域には出棺のときにお茶碗を割る風習があります。
お茶碗を割る風習は、この世で壊れたものを、あの世で完成されるという考えが元だといわれています。
また、時間も逆だとされ、この世が夜の時、あの世は朝だといわれています。
あの世の朝、明るいときに亡くなった方の魂を送り出すためは、この世の葬儀は夜に行ったそうです。
最近のお葬式は、夜が主流ですが昔は違いました。
また、祭壇にろうそくや提灯などの灯りを飾るのは、昔の名残が影響しているといわれています。

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