お墓って何?

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お墓って何?

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お墓の歴史や意味を語るとなると、それはそれは膨大なものになるでしょう。さまざまな学者さんが考古学、民俗学、宗教学の観点からお墓を論じておられますし、「お墓とはこうなんだ!」という明確な答えを導き出すのはとても困難です。

たとえば、お墓の形状も、地域によって異なります。和墓の三段墓でも、関東、関西、九州で様式が異なります。埋葬祭祀する人も、先祖代々ではなくて、昔では1つの石塔に夫婦だけ、もっと遡れば個人1人だけを祭祀していました。

  • 三段墓以外にも、五輪塔、宝篋印塔、洋風のデザイン墓、水子地蔵などさまざまです。
  • さらには世界に目を向けますと、石塔を設けて死者や先祖を祀る地域はほんの一握りです。
  • 同じ仏教国でも、インドでは火葬後に骨灰はガンジス川に流します。
  • チベットでは解体した遺体を鳥が啄むことで昇天すると考えられています。
  • ユダヤ教やキリスト教やイスラム教圏では復活思想のため、遺体は火葬されずに土葬します。

このように、一言にお墓と言っても、切り口は無限にあるわけです。

お墓には2つの役割がある

お墓には2つの役割があると言えます。

1つは、死者を葬る場所であり、もう1つは生きている子孫が祈る場所です。これら2つは切っても切り離せない関係にあります。なぜならば、柳田国男的な民俗学からお墓の役割や死者の行方を考えると、死者はやがては家の先祖となって、共同体全体の氏神(神霊)になるからです。

死者の冥福は同時にこの世に生きる私たちの幸福でもあるわけですね。

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みなさん、お墓に行って、掃除して、お供え物やお花を供えて、お線香を焚いて、数珠を手にして合掌して、何を考え、想い、呟きますか?般若心経を唱える方もいるでしょうし、ご先祖様への感謝を言う人もいるでしょう。「息子がテストで一番取ったよ!」って近況報告する人もいるでしょうし、「病気が治りますように」とお祈りをする人もいるでしょう。

不幸が起きて、私たちはお葬式をして、故人が無事に成仏できるようにと、私たちの意思で故人を冥土に送ってあげるような気になるのですが、実はそういう供養を通じて、自分たちの中の悲しみを癒し、和らげているのだと、私は思います。初めは故人の冥福を祈っていたはずが、いつしかご先祖様となった故人に自分の幸福を祈ってしまってしまうという逆転の現象がどこかで起きます。

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お墓に納まった時点で、故人はすでに成仏して、私たちの味方になってくれているのではないか、と筆者なんかは考えてしまうわけです。

たしかに筆者はお墓性善説者で、かなり偏りというか、ひいきが過ぎているかもしれませんが、けれどこれこそが、日本人が作りあがてきた、先祖供養のシステムの真骨頂です。人々はみな、死者とともに生きてきたわけですね。

故人の冥福は自分の幸福で、自分の幸福は故人の冥福なのです。

それらを祈る場所。それこそが、お墓なのです。
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