
お墓に故人の文字を彫刻してもらう
納骨式に間に合うように、石材店に連絡をして、故人様の文字彫刻を依頼しましょう。
墓地によっては石材店を指定していることもありますので、寺院墓地であれば住職に、民間墓地であれば管理事務所に問い合わせましょう(公営墓地では業者の指定はないことがほとんどです)。
彫刻する文字は以下ですので、石材店との打合せの際に分かるようにしておきましょう。
- 故人の戒名(法名)
- 故人の死亡年月日
- 故人の生前の名前
- 故人の亡くなった年齢

年齢は、満年齢と数え年とありますが、寺院からいただいた位牌や過去帳に書かれた通りに石材店に伝えればよいでしょう。石材店はすでに彫刻されているご先祖様の文字と同じように、書体、文字の大きさ、配列などを決めていくので、一度同行する必要があるでしょう。
文字は、仏石の側面か、「霊標」や「戒名版」や「法名碑」と呼ばれる石碑の横に据え付けられている板に彫刻します。
仏石に彫刻する場合は、必ずまず寺院に「性根抜き」のお勤めをいただきましょう。仏様が入っている状態で墓石を彫刻するのはよくないとされています。また、石材店にもよりますが、文字彫刻は、現地確認、原稿起こし、施工、と工程がありますので、最低でも2週間は納期をみておいた方がよいでしょう。
納骨式の準備と流れ

納骨式で必要なものは以下です。
- 遺骨
- 供花
- お供え物
- 線香
- ローソク
- 念珠
- 寺院への謝礼
- 石材店への謝礼(お手伝いをお願いする場合)
納骨は水鉢と呼ばれる石を動かして、カロートの中に遺骨を納めます(石碑の形状は地域によって大きく異なるのでこればかりではありません)。石を動かすのは素人の方ではとても重くて難しいため、けがをしたり、石材を傷つけてしまうことがあります。石材店に納骨当日のお手伝いも依頼すればきていただけます。
寺院に読経をいただきますが、15分から30分程度です。
遺骨は骨壺のまま納めるか、さらしの袋に移すか
納骨には2つの方法があり、骨壺のままカロートに納めるケースと、壺の中の遺骨をさらしの袋に移して土に還すケースとです。
これも地域性や、家族やお寺によって方法は分かれます。これといった決まりもありません。
カロートの中の骨壺がスペースいっぱいになったらさらしの袋に移すところもありますし、新仏さんの段階でさらしの袋に移すケースも多々あります。土に還してあげた方がいいのでは。と筆者は思います。
私たちは、野菜や果物など、この大地から生まれたものを口にして、大きくなり、そして老い、息を引き取っていくわけです。牛や鳥だとしても、この大地に茂った草木や穀物を食べて大きくなった彼らを、私たちは口にするわけです。
道教や中国医学で言われる「魂魄」という考えの中には、「魂は天に昇り、魄は地に還る」と言われます。魄、つまりは私たちの肉体の故郷はこの大地ですから、亡くなった方の遺骨が土に還ることで、故人様も浮かばれるような気がするわけです。