中陰壇について

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中陰壇について

中陰壇 設置の仕方

火葬を終えて忌明けまで、遺骨や位牌や遺影を祀る祭壇の事を中陰壇(後飾りなどとも呼ぶ)といいます。

中陰壇は、通常仏壇の傍らに設置します。仏壇がない方の場合は特に決まりはありませんが、その場でローソクを灯してお線香を上げ、お参りの方にも来ていただくことになるでしょうから、それらを考えて設置する場所を決めるとよいでしょう。

中陰壇には遺影、位牌、遺骨を祀り、五具足(花一対、灯一対、香)か、あるいはその略式としての三具足(花、灯、香)を用意して故人に手向けます。白木の仏膳に精進料理を(飯、汁、煮物、和え物など)。

そのほかにもお供え物があれば供えて差し上げましょう。

浄土真宗では仏膳は供えませんが、阿弥陀如来の本尊軸を祭壇中央にお飾りします。

中陰壇の多くは葬儀社からの貸し出し、あるいは買い取りです。ほとんどの場合でプランの中に含まれています。仕様も葬儀社によって異なります。白木のものもあればボール紙のもあります。電飾の祭壇や灯明などを用意している葬儀社もありますので、詳しくは直接尋ねてみましょう。

お線香は絶やさない?

四十九日までお線香を絶やさないべきかどうか、よく質問されます。まず、葬儀の間は、お線香を絶やさないという風習が未だに支持されています。

葬儀までは「寝ずの番」といって、夜通しお線香を絶やさないように誰かが寝ずに番をしていました(これが「通夜」の語源だと言われています)。

最近では夜通しの弔問という風習がほとんど見られなくなったために、渦巻き状の線香を使用します。線香の燃焼時間は約40分。渦巻き状の線香の燃焼時間は約8~12時間。

万一家族が眠ってしまっても香が途絶える心配がありません。

夜通しお線香の番をしながら、故人の思い出話や身の上話に耽るのは、通夜の晩ではよく目にする光景です。ちなみに、香を絶やさないのは、その場の空気を清浄に清める意味と、ドライアイスのない時代、遺体から発する臭いをかき消す意味とがありました。

それでは、葬儀が済んだあと四十九日までも香を絶やさないのか。

現代においてはあまり現実的ではありません。忌中の間に忌み籠りを行っていた時代では香を絶やさなかったようですが、現代では日常生活との兼ね合いを考え、必ずしもしなければならないものでもありません。

もしされる場合は、お参りの時のお線香とは別で、渦巻き線香を焚きます(中陰壇のセットに渦巻き線香を含める葬儀社と含めない葬儀社があります)。火の元には十分気をつけるだけではなく、最近の住宅は気密性がとても高いために部屋中が線香の煙でいぶされてしまうので、換気を小まめにするようしましょう。

中陰壇はなぜ白い

中陰壇とは、文字通り中陰(死後四十九日間)の期間、故人を祀る祭壇のことです。

仏壇と中陰壇を分けるのは、死者の霊が四十九日間は成仏されないからという仏教的教義と、死の穢れは忌明けまで清められないという民俗学的考えと、二つの意味から捉えることができます。

さて、仏壇と違って、中陰壇や、そこで使われる仏具は、すべて白です。

祭壇は白木で、さらに白布を掛ける。位牌も白木、花立ても、火立ても、香炉も、仏膳の器も、すべて白い無地の仏具を用います。考えてみれば、故人に着せる仏衣も白、葬儀の祭壇も白木、それに、明治以前の喪主の服装は黒ではなく白でした。葬儀に際して、人々は白いものに身を包み、白い祭壇や仏具で故人を祀ったのです。

この理由には諸説あります。

1つは観念的な理由。白という穢れのないものを揃えることで、死穢という不浄のものを中和させようとしたのではないか。

もう1つは物理的な理由。ここからは筆者の仮説ですが、葬儀で使用する仏具が、「間に合わせのもの」だったからです。

葬儀そのものがいつ起きるか分からない(あるいは突発的な時もあります)という性質を持ち、そこで使う道具が末永く使われることがほとんどないことを考えると、「簡単なもの」で十分だったのではないでしょうか。

たとえば位牌は、末永く仏壇に祀るものは塗位牌を用意しますが、漆を塗って金箔を押して文字を彫るという工程はとても1日2日ではできません。死が突然起きてしまうと、とりあえず間に合わせの白木の位牌に戒名を書いたのです。

また、喪服が黒となったのは明治以後、西洋文化の影響によりますが、それまでは喪服と言えば白でした(実際に昭和38年の富山県での葬儀では白の喪服を着用したという証言があります:高橋繁行『葬送の日本史』)。観念性を脇に置いて、物理的に考えると、実は黒の喪服の方が仕立てや手入れに手間がかかります。黒の染料で染めなければいけなかったからです。白というのはおそらく染めていない生成りの状態だったのでしょう。

棺も村人たちで作ります。白木の祭壇も現在のような立派なものではなく簡易的なものでした。そのような観念的、物理的理由から、中陰の仏具は白なのだと思われます。

忌明け後は中陰壇は使わない

忌が明けると、忌中と区切るためにも中陰壇は処分します。葬儀社に返却するか、引き取ってもらうかしましょう。

忌が明けると、故人は晴れてご先祖様の仲間入りとなります。中陰壇という仮祭壇や仮位牌が白木であったのに対し、これからお祀りする仏壇や位牌は塗りや唐木のものをします。ですから、位牌は忌明け法要までに用意しましょう。仏壇がない方は仏壇の用意も必要です。

どうしても事情により仏壇が用意できない方は、何か壇を拵えて、そこに遺骨や位牌や遺骨を祀るとよいでしょう。中陰壇を続けて使用しても構いませんが、祭壇そのものに色を付けたり、色物の布を被せたりしましょう。白そのものの状態で使用し続けるのは、あまりおすすめできません。家族がいつまでも葬儀を引きずってしまうからです。

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