仏壇の選び方と仏壇屋さんの見分け方

蒼葉葬儀社

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仏壇の選び方と仏壇屋さんの見分け方

ここまで長らくお仏壇の記事について書いてきましたが、いよいよお仏壇を購入するにあたっての心得に触れて参りましょう。

①いつまでに用意するべきなのか

 仏壇をいつまでに用意するべきかに決まりはありません。すでにお仏壇がある家では四十九日までに位牌を用意するのですが、それに倣って新しく仏壇を構える方も四十九日までに、というのが多いようです。

 四十九日法要は故人の死霊(荒魂:あらみたま)が祖霊(和魂:にぎみたま)となり、ご先祖様の仲間入りをするという一つの区切りで、この日で忌中が明けると考えられていました。お葬式の悲しみをあとに引きずらないようにという区切りとしてお仏壇を構えるよい時期であります。

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 ただし、必ずしもこの日までに用意しなければならないものではありません。四十九日を待たずしてご本尊をお家に迎える方もいますし、諸事情により一周忌や三回忌くらいまでお仏壇を構えない方もいらっしゃいます。

 いつまでも中陰壇のままお祀りしておくのもいかがかと思われる反面、焦って購入するものでもありません。

②お祀りのスタイルを決める

 まずは何よりお祀りのスタイルを決めることが大事です。どのような宗教形式で供養をしていくのか。年忌法要などに寺院をお招きするのか、寺院を呼ばずに自分たちだけで供養をしていくのか、これらによって、購入するお仏壇も変わってくるはずです。

③安置する場所を決める

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 仏間に安置するのか。その仏間の框から仏壇を置くのか。地袋の上に置くのか。それとも、別の部屋に置くのか。リビング、居間、寝室など、まずは仏壇を置く場所を決めたうえで、その場所の写真を撮り、幅、奥行き、高さなどの有効寸法を控えた上で仏壇屋さんを訪ねるのがよいでしょう。適切なアドバイスをいただけるはずです。

④予算との兼ね合いを考える

 お仏壇は、安価なものは数万円から、高価なものは数百万円とします。「安けりゃいい」という考え方もいかがかと思いますし、「無理してでも立派なものを」とするのも懸命だとは思われません。簡素に扱われると故人様は淋しいでしょうし、無理して家計を圧迫してまで立派なお仏壇で祀られても故人様は心苦しいだけでしょう。

 あくまで今の生活状況や予算の無理のない範囲で、できるだけのご用意ができればそれで十分ではないでしょうか?

 仏壇屋さんはあれこれと単価アップを勧めてきますが、できる限りの予算で、それが遺族の方の誠意であれば、故人様もきっと喜ばれると思われます。

いい仏壇屋さん、悪い仏壇屋さん

 お仏壇という形のある商品を購入するわけですが、そこには魂や性根や、何よりも家族の方の想いが込められます。そういう意味では目に見えないものを扱うわけです。仏壇屋さんの良し悪しでそのお仏壇の良し悪しも決まってしまうというのが筆者の思うところです。筆者なりに、仏壇屋さんの見分け方を綴ります。

●「情報の非対称性」を自覚する

 経済学の用語に「情報の非対称性」という言葉があります。売り手と買い手で商品に対しての情報量の格差があり、買い手は売り手の言いなりのままに商品購入の契約に至ってしまうとうケースが起こりえます。

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 昨今は賢い消費者が増えましたので、インターネットなどによる相場調査や、複数店舗を周ってみての相見積もりなどをとる方も増えています。とても賢明な方法だと思います。仏事や供養について、ほとんどの場合、買い手は情報劣位者です。まず自分たちが情報劣位者であることを自覚してから、行動に移しましょう。仏壇屋さんの調子のいい言葉に惑わされずに冷静に判断しましょう。

●大幅値引きは疑ってかかる

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 3割、4割、半額、ましてや7、8割引きなどを謳う業者は疑ってかかりましょう。そもそもの定価の付け方に疑問があります。売り手も商売です。売って赤字になるようなことはしません。大幅値引きをしてなおのこと利益が出るということは、

①もともとの定価が高額すぎる
②販売しているお仏壇がいわくつきだ

…のどちらかでしょう。

 むしろ他店と比べて高いと思われても、値引きに制約があるお店は、それだけ定価の付け方に誠実である、とも受け取れます。

 仏壇業界は、未だにオープン価格がまかり通っているので、厳密な意味での相見積もりができない旧弊な面が未だに残っています。そのお店の値付けが誠実かどうか、複数の店舗を見て回ることをお勧めします。

●情報開示にどれだけ誠実か?

 良心的な仏壇屋さんは情報格差を縮める努力をしてくれます。仏壇の材料、原産国や原産地、値段の根拠となる仏壇の工法などをどれだけ細かく説明してくれるか。

 また、専門的な言葉を並べられても無知な買い手には理解できません。どれだけ買い手が分かる言葉を選んだ上で説明してくれているかは重要なチェックポイントになるでしょう。

●アフターサービスに信頼がおけるか

 保証制度もよいのですが、免責事項に引っかかることが多いのであてにならないこともあります。

 むしろその仏壇屋さんがその地域でどれだけ支持されているかを見極めましょう。インターネットで葬儀を依頼し、寺院を手配し、仏壇を購入する時代になりましたが、いざという時にメンテナンスやフォローに駆けつけることのできる仏壇屋さんが近くにあるかどうかは大変心強いものです。

 購入時の利便性や金額面だけでなく、長い付き合いのできる仏壇屋さんを探すのも、大切なことかもしれません。
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