
祖霊舎とは、分かりやすく言うと「神道の仏壇」です。
こう表記しますと神道の方には大変失礼にあたるかもしれませんが、世間一般的には先祖供養の施設といえば「仏壇」を想像される方が多いでしょうから、あえてこのように表記させていただきました。
神道において祖先の霊を祀る施設を「祖霊舎」と呼びます。そのほかにも「神道壇」とも呼びます。
神道では、故人は家の守り神になる
神道では故人はやがて家の守り神になると言われています。
神道での葬儀は神葬祭と呼ばれ、神葬祭が終わりますと仮の祭壇を自宅に安置します。故人の御霊は霊璽(れいじ)と呼ばれる木札に遷されます。これが仏教における位牌の役割を果たします。
これらの祭壇と霊璽は仮のものなので、五十日祭(仏式で言うところの四十九日)までに末永くお祀りする祖霊舎と霊璽を用意しましょう。
祖霊舎の構造はほとんどお仏壇と同じ
お仏壇と一緒で、祖霊舎にもさまざまなものがあります。上置きから台付きまで、価格や寸法や仕様もさまざまです。
小型祖霊舎と呼ばれるどこにでも置けるものもあります。これは、神棚に置くお宮くらいの大きさのもので、仏式の厨子と同じようなものです。霊璽を安置できるだけの大きさです。
上置きの祖霊舎や台付の祖霊舎も、仏壇の構造と似ていて、扉があり、台輪と下台輪で支え、台輪の下には欄間があり、三段構造になっています。また引き出しがついていたり、下台は収納として使用できます。
見た目はほとんどお仏壇と同じです。一目で分かる違いは、素材が桧や栓といった白木材を使用している点、中の道具が神具であるくらいではないでしょうか。
神具
祖霊舎での作法はほとんど決まっていますので、購入する時にはその寸法にあった神具をセットで購入するようなことになるでしょう。
神鏡、神鏡台、真榊、灯篭、かがり火、榊立て、三宝、皿、水玉、瓶子などです。
霊璽
霊璽は仏教における位牌です。
葬儀後は仮の霊璽を祀りますので、祖霊舎を購入するときに寸法のあった霊璽を用意しましょう。
位牌のように複数の種類があるわけではありませんが、シンプルな霊璽、鏡錦の覆いのついたもの、繰り出しの霊璽などがあります。
祖霊舎の設置
自宅の神棚には神宮大麻(伊勢神宮の神様)や氏神様を祀るのですが、それらと祖先の霊を祀る祖霊舎は別にします。祖霊舎は神棚より低い位置に祀るとされています。仏間があれば、そこに設置してもよいでしょう。