- 2016-9-12
- 相続関連

遺言書を何度も書き変えることはOK?それともNG?
遺言書について誤解しがちなのが「遺言書を一度変えてしまえば書き変えられないのでは・・・?」ということ。遺言書を書こうと決意しても、それが気になって書きたくないという人もいるでしょう。
確かに、一度書いてしまった遺言について、後から変更したいと思うのはよくあることかもしれません。
例えば「息子にすべて残そうと思っていたら、自分より息子の方が先に亡くなってしまった・・・」、あるいは「遺言書に不動産を記載したが、売ることになった」「不動産を娘に残そうと思っていたら、県外から息子一家が帰ってきたから息子に残したい」など。遺言書を書いてから年数が経てば、状況が変わってしまうことはあります。
それに、相続人として遺言書に記載した人達が自分より先に他界することは遺言書を書く時点では予想できないので仕方のないことですよね。そこで遺言書に記載した内容が大きく変わってしまうこともあります。
しかし、安心してください。遺言書の内容は、書き変えられるのです。
遺言書は何度でも書き変えられる
遺言書の内容を状況に応じて変更したいと思った場合には、書き変えが可能です。ただし、法律で決められた方式に沿うようにしなければならないのです。
自筆証書遺言書の場合、以前書いた遺言書を破棄することによって新しい遺言書の効力が発生します。自筆証書遺言の場合には、それが原本なので「破棄した上で新しい遺言書を書く」だけでOKです。
しかし、問題なのが公正証書遺言書です。
こちらは、公証役場で原本が保管されています。自分の手元にある遺言書を「破棄」したとしても、原本が破棄されたわけではありません。そこで、公証役場で遺言書を書き直す必要性が出てきます。
費用はその都度かかってしまいますが、効力を発揮するためには大事なことと言えますよね。
遺言書を作っても、途中で気持ちが変わってしまうと面倒だと遺言書を残さないよりも、やはり残された方のことを思うと遺言書を残すこと、そして状況に応じて内容を訂正することは自分の家族のことを思えば、必要なことではないでしょうか。
新しい日付のものが有効
また、どの遺言書方式でも、必ず作成した日付を記載しなければならないと定められていますが、この日付の新しいものが「遺言書としての効力がある」とされています。つまり、日付の古い公正証書遺言と日付の新しい自筆証書遺言が出てきた場合いは、後者の新しい日付のものが効力を発生することになります。