遺言書⑩

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親子三世代

特定の子どもに相続をさせたいとき

親が子どもに財産を残そうとするときに、必ずしも子ども全員に平等に相続させようと考えるわけではないのが現実でしょう。

子どもが一人しかいない場合は別ですが、複数人いる場合には「長女に多く相続させたい」「長男は若い時にたくさん迷惑をかけられたから相続させたくない」「三男夫婦は自分の面倒を一生懸命見てくれたから全部相続させたい」・・・など、隠された本心があるものではないでしょうか。

そこで、特定の子どもに財産を残したい時に考えたい相続の知識についてお話ししていきたいと思います。

「遺言書」では特定の子どもを指定できる

will10-2小さい時は、同じ様にかわいくて仕方がなかった子どもたちも、大きく成長するにつれて親の手を離れて、それぞれの人生を歩むことになります。成人したからと言ってすぐに親の役割が終わるわけではなく、あれこれと世話を焼くことも多いですし、お金を援助してあげることも多いでしょう。親子の縁は、子どもが何歳になっても切れることはありません。

しかし、子どもが成人してしまえば、親子と言っても別々の人生。親子関係も浅くなったり深くなったり子どもによってそれぞれ違ってきます。離れて暮らしていても親のことを気にかけてくれる子どももいれば、同居しているのにもかかわらず素っ気ない態度をとる子どももいるかもしれません。

その中で子ども達にさまざまな感情を抱いてしまうことは、親も人間だからしょうがないかもしれませんよね。

そこで「遺言書」を書いて、指定した子どもだけに財産をすべて残すことを考える親御さんも多いのではないでしょうか。しかし、遺言書は自分がいなくなった時にトラブルを起こさないようにするものです。遺言書が原因で兄弟たちの仲が悪くなるのも悲しいことですよね。

また、遺言書に「すべてを長女に残す」と記しても、他の相続人が最低限度の財産を相続できる権利があります。

遺留分という権利について

例えば、亡くなったAさんの法定相続人が、妻、長女、長男であるケース。Aさんが「私の死後、長女にすべての財産を残す」と遺言書を書くと、妻は財産がもらえず生活に困ることになるでしょう。この場合には、妻と長男に遺留分が発生し長女に対して「遺留分減殺請求」を主張できるのです。

遺留分は本来権利がある「法定相続分」の半分です。

妻の遺留分=法定相続分1/2×1/2=1/4

長男の遺留分=法定相続分1/4×1/2=1/8

つまり遺留分があるため、遺言書によって特定の子どもに財産を残したいと考えた場合でも、他の法定相続人にも最低限の財産がわたることは避けられないわけです。

「長女にすべて財産を渡す」という遺言書は、結局の話、もめごとを生み出すもとにもなってしまいます。それを避けるためには、初めからこの分を考慮した配分で遺言書に書き記してあげるようにするのも争いを減らすひとつの方法です。

「すべて長女に渡す」などという極端な配分にするのは避けた方がいいかもしれませんね。

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