- 2016-9-13
- 相続関連

贈与は「子ども」よりも「孫」!?
かつては「相続税なんて我が家には関係ない」と楽観視していた人も、平成27年の税改正により課税対象になる可能性もあると感じている人も増えているのではないでしょうか。
配偶者や子どもに相続させることで「相続税」がかかるなんて・・・と思うと、自分が生きているうちに対策をしておきたいと感じる人もいるでしょう。
相続税対策には生前贈与
そこで考えるのが「生前贈与」です。
ただ、「生きているうちに財産をあげれば税金がかからない」とやみくもに財産をあげると「贈与税」の対象になってしまうので、税の対策にはなりませんよね。基本的に贈与税は相続税より税率が高く設定されています。そのため、一気にあげてしまうのは逆に税金をかけてしまうことにもなりかねません。
贈与は自分が生きている間には何度でも、そして誰にでもあげることができるというメリットがあります。その「贈与」の特徴を上手く利用するのが賢い税対策になるのです。
贈与をするなら孫に!?
多くの方は「自分の子どもにあげよう」と考えるでしょうが、実は「孫への贈与」がメリットの大きい税対策となるのです。
自分が亡くなった時に法定相続人となるのは、配偶者や子どもです。そのため生前贈与では、それらの方々を対象にする方も多いのではないでしょうか。
しかし実は、法定相続人への贈与は、贈与後3年以内に亡くなってしまった場合には「贈与はなかったもの」と扱われることになっているのです。そのため、自分が死期を覚悟して生前贈与を急いで行ったとしても、結局相続税を支払わなければならないという結果になってしまいます。
ただ、この適用は「相続人が対象」なので、孫は対象外。つまり、孫に贈与して自分が1年後に亡くなっても、それは「贈与」として扱われることになります。
また、孫に生前贈与をするメリットとして、相続税を1回省けるということがあります。
生前贈与によって自分の子どもに財産をあげても、その子どもが亡くなった場合には孫に財産がわたります。その時に、相続税がかかってしまいます。しかし、子どもを飛ばして孫に生前贈与をすると、その間にある「相続税」が飛ばせることになります。
孫への贈与での注意ポイント
孫への贈与も年間110万円までなら贈与税がかかりません。ただし、通帳の管理は孫本人にまかせなければ贈与と見なされない落とし穴があるので要注意です。
また定期贈与にもご注意を。例えば110万円以下なら贈与税がかからないと100万円を毎年同時期に10年間孫にあげたとします。そうすると合計額である1000万円を分割して贈与したとして定期贈与としてみなされる可能性も出てきます。
このリスクを回避するには、毎年同じ金額にしないこと、時期を変えることという対策が有効です。また、時には110万円を少し超える額を贈与して敢えて贈与税を支払うことで「贈与税を支払っている」という証拠になるでしょう。
相続税対策には「子どもよりも孫」がメリットにもなるということなのです。
ただ、これは金銭として一気に渡す場合ですので、普段から孫に「学校の授業料を出してあげた」「部活にかかるお金を援助した」「学校に必要なものを買ってあげた」「病院代を支払ってあげた」など、その都度支払ってあげたものは贈与にはなりません。